カスペルスキーの個人/SOHO向けセキュリティ対策ソフトシリーズの中でも、ベーシックな製品と位置付けられるのが「カスペルスキー アンチウイルス」だ。画面デザインはシンプルだが、何から何までソフトにおまかせというわけではなく、オブジェクトスキャンに見られるように、ユーザが任意にチェックを行ったり、スケジュール設定やスキャン対象を細かく指定したりできる、使いこなし甲斐のある仕上がりとなっている。新機能「ぜい弱性ブロック」が、システムやアプリケーションの弱点に対する攻撃を防御するのに対し、「ぜい弱性スキャン」は、問題個所を指摘した上で、必要に応じて修正を加えてくれるというもの。いわば二段構えの陣形で守りを固めるわけだ。
ぜい弱性ブロックで必要なのはオプション設定のみ。もちろん、デフォルトでONになっており、特に操作の必要はない。ぜい弱性スキャンをスケジュール設定したり、アプリケーションの新規インストールやアップデート後に実行したりするように心がけておくと安心だ(もちろん、簡易スキャンや完全スキャンも積極的に併用すべし)。
マルウェアの駆除や感染ファイルの隔離だけでなく、「システムウォッチャー」がファイルの更新やレジストリの変更など、すべてのイベントを記録し、必要に応じてロールバックしてくれるのも心強い(ちなみにWindows設定診断機能では、問題個所の指摘と修正だけでなく、修正箇所の中から任意にロールバックすることがが可能)。
アンチフィッシングサイトやネットワークモニタなど、重要な機能は揃っている。「Webブラウズが主な用途で、余分な機能はいらない」というユーザには大いに魅力的だろう。
(福住 護)