マイクロソフトの「Office」シリーズは、もはや説明するまでもない、押しも押されぬビジネスソフトのスタンダードだ。「Windowsパソコンを導入している職場であれば、ほぼ間違いなく『Office』シリーズがインストールされている」といっても過言ではないだろう。「Office」シリーズは──これまで一部の例外を除き──Windowsのバージョンアップに同期するようにバージョンアップしてきた。その際の特徴として、オフィススイートとしての新機能を搭載するのはもちろん、その時々のOSで導入される新しいユーザインタフェースをいち早く取り入れてきた。例えば、いまではほとんどのアプリケーションで使えるようになった、ドッキング可能なツールバー、マウスホイールによるスクロールや拡大・縮小、リボンインタフェースなどはどれも、「Office」がいち早く採用してきたものだ。
そして今回。「Office 2013」のペアとなるOSは、いうまでもなく「Windows 8」。Windows 8の最大の特徴は、タブレットスタイルでも使える、タッチ式のユーザインタフェースに対応したことで、そしてそれは当たり前のように「Office 2013」にも採用されている。この先、Windowsパソコン上でどの程度タッチユーザインタフェースが普及するかは未知数だが、Windows 8上のアプリケーションにおけるタッチタッチユーザインタフェースの使い方として、今回の「Office 2013」が手本となることは間違いない。
ビジネスソフトなのだから、とにかく機能が最優先であることはいうまでもないが、そうした点は別にして、今後のユーザインタフェースのトレンドを占う意味でも、注目のアプリケーションだ。
(天野 司)