仕事で扱う文書には承認の判を押すのが普通だが、そもそも判を押すという行為は、紙の媒体に適したもの。文書が電子化されてくると、どうしてもシステム的になじまない面が出てくる。そんな悩みを手軽な方法で解決してくれるのが「電子でぺったん」だ。ワープロや表計算などの文書に、簡単な操作で日付印を押せるので、いちいち印刷しなくてもそのまま社内メールで回覧することができる。見た目は従来紙の書類に押していた日付印と同じなので、社内で伝統的に使ってきた書類形式を改める必要がないし、特別な操作をしなくても誰が捺印したかひと目でわかる。もちろん最終的にプリントアウトする場合でも、印影はそのまま印刷される。
使い方にはちょっとしたコツがあるが、操作そのものは簡単だ。インストールしたら、まず利用者つまり印を押す人の名前を登録しておく。以降はすべてワープロなどのアプリケーション上での操作となる。
ワープロや表計算ソフトで文書を作成したあと、日付印を挿入したい位置でオブジェクトの挿入コマンドを実行する。Wordなら「挿入」→「オブジェクト」を選び、「新規作成」タブの一覧から「日付印ぺったん」を選べばよい。すると、文書に日付印の枠が挿入される。このときはまだ枠だけで名前や日付が入っていない。ただし、オブジェクトが挿入されたことで、メニューが「電子でぺったん」のものに置き換わる。メニューのツールバーにある「印」ボタンをクリックすると、日付印が文書に埋め込まれる仕組みだ。
一見ややこしそうだが、要するにOLEで埋め込んだオブジェクトに対して日付印の挿入を行っているだけだ。文書上にあらかじめ空の日付印オブジェクトを挿入しておけば、あとはオブジェクトをダブルクリックするだけで捺印できるので、実際の操作は簡単。また、Microsoft Word/Excel/PowerPointで使えるツールバーがそれぞれ用意されており、ボタンひとつで簡単にオブジェクトを貼り付けられるようになっている。もちろん、WordなどのMicrosoft Office以外でも、OLE対応であれば貼り付け先は選ばない。汎用性の高いソフトだ。
「電子でぺったん」の日付印には文書番号や承認者名、所属、備考などの情報を入力することも可能。この情報は、日付印のオブジェクトをダブルクリックしてツールバーの「?」ボタンをクリックすれば、すぐに確認できる。
登録できる名前は全角4文字まで、実際に捺印される姓は2文字までに限られてしまうが、電子文書と紙の文書の違いをほとんど意識せずに使えるスグれもののツールだ。