ファイルを探すときは、エクスプローラなどのファイラを起動し、ファイル名やフォルダ名をもとに探すのがセオリー。しかし、ファイル名に連続番号が使われているような場合、目的とするファイルを見つけるのは至難の業だ。一つひとつファイルを開いて調べればよいのだが、非現実的である。そんなときに役立つのが文字列検索(Grep)ソフト。Grepは、指定したドライブやフォルダの中に含まれるファイルを一つひとつ開き、指定された検索語が含まれているファイルを高速に探してくれる。「『鎌倉』について書いたドキュメントは、どのファイルだっけ?」などという疑問に、瞬時に答えを出してくれるわけだ。
当たり前だが、ドキュメントに記述されていると思われる言葉を「検索語」として指定する。保存先フォルダが不明なときは「検索場所」にドライブ名を指定し、「下のフォルダも検索」欄をチェックして検索する。時間はかかるものの、指定ドライブに保存されているテキストファイルをすべて調べてくれる。
一般的に「FinderU」を便利に使えるのは、「メール整理」ではないだろうか。「年末のディナーショウ情報をやり取りしたメールのログはどのファイル?」などという疑問に、すばやく答えを出してくれる。
正確な検索のために、正規表現のサポートや、Shift JIS/JIS/EUCといった文字コードを自動判別して検索する機能も秀逸である。正規表現を使えば、例えば「Windows」という単語が含まれるファイルを検索するときに「Windows」「WINDOWS」など、単語の記述が異なっても、正規表現を利用して「W(indows|INDOWS)」のように記述して検索すれば漏れがなくなる。インターネット時代に対応して、さまざまな文字コードで記述されたテキストファイルに対応しているのもよい。
Grepツールの中には、検索語をダブルクリックして検索語が記述されている位置にジャンプしたり、検索語の強調(ハイライト)表示を行うものもあるが、「FinderU」ではサポートされない。目的とするファイルを探し出し、好きなエディタなどで開くまでの補佐役として利用するわけで、テキストエディタなどの機能とうまく住み分けていると思う。
(永浜 裕之)