スクリプトでキーボード操作を行えるオートパイロットソフト。BASICに似た文法を持つスクリプトを使い、条件判断や繰り返しなどによって複雑な処理を実行できる。スクリプトの基本は、キー入力と同じ状態を発生させる「press」という命令文。例えば「【Ctrl】キーを押す」という操作は「press ctrl」と記述する。スクリプトでは、条件判断(if文)や、指定のラベル位置へのジャンプ(goto文)、サブルーチンの呼び出し(gosub文)などを利用できる。
大きな特徴が、if文での判断条件に画像データを使えること。処理開始時に、デスクトップの初期状態をキャプチャしたものを変数に格納し、さらに処理途中でキャプチャした画像と比較することで、デスクトップの状態の変化を判定する。この機能により、「(アクセスキーで直接コマンドを選べないような場合でも)メニューを開いて、目的のコマンドを選択するまでキー操作を繰り返す」といった処理が可能となる。
キャプチャの範囲は、画像格納変数を宣言する際にあらかじめ指定する。キャプチャ位置(デスクトップ上の座標)は、実行文中に始点の座標を記述する。座標の指定を容易にするために、デスクトップの左下や右下を原点とすることもできる。
デスクトップの変化の判定では、許容誤差を256段階で設定できる。内蔵のデバッグ支援ツールを使うと、二つの変数に格納されたキャプチャ画像を比較し、同じかどうかを判断するようになっている。
本体プログラムは、エディタとコンパイラ、実行環境を兼ねたような性格。起動直後はソース編集状態にある。スクリプトのソースファイルを読み込んで「実行」すると、コンパイル後に待機状態に入る。スクリプトを実行するには、スクリプト中に記述したトリガキー(任意に割り当て可能)を押す。「実行」コマンドがONになっている状態であれば、トリガキーを押すことで何度でも繰り返しスクリプトを実行できる。スクリプトが実行されていない状態で「中止」すると、編集状態に戻る。ソーススクリプトはRWSという拡張子を持つテキストファイルで、ウィンドウ上で編集できる。また、外部のテキストエディタなどで作成したものを読み込んで使うことも可能だ。
一般的なコンパイルの概念とは異なり、「Routine Worker」では実行モードに入るたびにコンパイルを行う。このため、実行ファイルにあたるものが生成されるわけではなく、スクリプトは必ず「Routine Worker」上から実行される。