ほんとうの図書館の中に収められた、作りものではない、ほんとうの物語としてドラマが展開される「ほんとうの物語」シリーズの第二弾。ゲームの内容は、選択肢がない一本道のノベルゲーム。差分込みとはいえ、700枚を超える豊富なグラフィックと、トータル10分以上が収録された劇中ムービーは圧巻だ。「異世界でのロボットバトル」モノだった第一弾とは異なり、今回は現代を舞台にしたダークファンタジー作品となっている。前作との繋がりは、プロローグとエピローグとして描かれる「ほんとうの図書館編」の存在と、作中でプリンシパルと呼称される巨大ロボット同士の戦闘シーンが存在するところ。
物語はイメージ中心で展開されるため、実際に何が起きているのか、どういう世界なのかは最後の最後にならないと判明しない。しかしそれゆえに、展開が気になってどんどん読み進んでしまった。
挿入されるグラフィックやBGMも効果的だ。特に戦闘時に挿入されるBGMとムービーは、不条理な演出と決闘シーンで一世を風靡した某アニメを彷彿させる。前作とは一変してかなりダークな作品に仕上がっており、こうした作品が苦手でなければ、読み応えは十分。クリア後にオマケの短編も用意されている。
さらに、シリーズ第一弾の「リズベルルの魔」と今回の「永遠のメルディラージェ」の二本をクリアすることで、「ダブルクリア特典」のシナリオも解放される。
(秋山 俊)