J2000.0による太陽の赤道直角座標を計算
"XYZ2000.C" は、J2000.0による太陽の赤道直角座標を計算する、C言語によるプログラムのソースコードです。
1976年IAU総会において、従来のB1950.0による天文定数系のかわりに新しい天文定数系(J2000.0)による推算をおこなうことが決定され、海上保安庁水路部発行の『天体位置表』は、1985年版から新しい計算式を使用した天体暦をつくっており、太陽の赤道直角座標も、J2000.0によるものに変更されました。
アマチュアの使用する『天文年鑑』(誠文堂新光社)では、1992年版からJ2000.0の太陽の直角座標の値を掲載しています。
最近の彗星や小惑星の位置推算には、例外なくJ2000.0による位置を求めています。こうした位置推算には、どうしてもこの太陽の赤道直角座標が必要ですが、B1950.0によるこの値の計算式は、長谷川一郎『天体軌道論』(恒星社)や、中野主一『マイコン天文学I』(「アストラル・シリーズ」13、恒星社)に掲載されており、これを容易にプログラム化することが可能でしたが、J2000.0になって、直接数値積分から求めることになって、アマチュアの立場からは、簡単に求められなくなっておりましたが、幸にも前記中野氏により1950年の位置計算プログラムを多少修正するだけで、実用的な値が得られるという方法が、『パソコン天文講座・天体の軌道計算』(誠文堂新光社、1992年)に記載されており、今回は、すでに作成しておいたB1950.0年用太陽の赤道直角座標計算プログラムを、中野の修正を参考にして必要な修正を加えたものです。
このプログラムで計算された値は、小数点以下7桁目を基準としてX座標では約5程度、YおよびZ座標では、最大10程度の誤差がでます。この誤差の原因としては、太陽の黄経が約0.12秒、黄緯が約0.14秒ほど小さく計算されるためではないか、とおもわれます。