ただし、不便な点もある。例えば、PDFファイルを受け取った側では容易に編集できない。編集できないというのは勝手に改変できないという意味ではメリットでもあるが、「文書を再利用したい」という向きには大きな制約となる。

そこで必要とされるのが「Icecream PDF Converter」のような、PDFを編集が容易な形式のファイルへと変換してくれるコンバータだ。編集しづらいPDFでも、Microsoft Wordへと変換してくれるのであれば、編集も簡単に行えるようになる。あとは必要に応じてPDFに戻してやれば、どこでも使えるという「PDFのメリット」を再び享受できるようになる。

変換で重要になるのが「正確性」。いくらフォーマットの変換が行われても、元のPDFファイルと似ても似つかない文書スタイルに変換されたのでは、せっかくの機能も意味を失う。筆者は、実際にいくつかのファイルを変換してみたが、試した限りでは「Icecream PDF Converter」の変換精度はなかなか優秀なようだ。複数の図や表が含まれるPDFファイルのWordファイルへの変換では、表のレイアウト、図の配置など、元のPDFと完全に同じではないとはいえ、使えるレベルのファイルが出力された。