ソフトを開発しようと思った動機、背景
世界にはたくさんのブラウザがありますが、生のユーザの意見が反映されたブラウザは多くはありません。さらにいうと「日本発」で私たち「日本人」のユーザの声を中心に取り入れたブラウザはほとんどありません。「Kinza」は「ユーザの声で進化するブラウザ」として2014年5月に東京・日本橋にある小さなオフィスで産声を上げました。ユーザの声を聞き、それをソフトウェアに反映することは、思ったよりもたやすいことではありません。そこでブラウザの基本となる部分は「Chromium」を採用し、ユーザから要望のあった機能の開発に集中することにしました。Chromiumは、全世界で最も多くのユーザを抱える「Google Chrome」の元にもなっているオープンソースソフトウェアです。
また、Chromiumは「スピード」「シンプル」「セキュリティ」の三つに重点を置いたブラウザです。シンプルであることは、インターネットをはじめたばかりのユーザにとってはありがたいことです。ただ、ある程度インターネットに慣れたユーザは利便性を求めてゆく傾向にあるといえます。
「もし『Kinza』がその役割を担えたら、どれだけうれしいことだろう」と私たちは考えました。「Chromiumが持つシンプルさは守りながら、パワーユーザにとっても使いやすいブラウザ」という視点で開発を進めています。そして、その機能のほとんどはユーザの声により実現したものです。
開発中に苦労した点
「Kinza」が採用しているChromiumも、バージョンアップにより進化を続けています。「Kinza」は、このバージョンアップに追従していくことにより、Chromiumが持つ魅力とともに成長しているといえます。ただ、これは決して簡単なことではなく、「Kinza」と同じくChromiumをベースとするブラウザでは「バージョンアップの追従が遅い」あるいは「仕様が大きく変更されて追従ができなくなった」ということも多々あります。
このような事情がある中で、「Kinza」の開発はちょっとした工夫をしています。ユーザから要望あった機能に応えることはもちろん、開発手法に至るまでさまざまな工夫が必要になることが苦労するところです。ただ、その甲斐があり、リリースしてから2年以上、それほど大きな間隔が空くことなく、Chromiumの最新バージョンとともに「Kinza」の提供ができています。
ユーザにお勧めする使い方
いまの時代、二つ以上のブラウザがユーザのパソコンにインストールされていることはめずらしくはありません。「仕事用」「遊び用」といった形で、用途によって複数のブラウザの使い分けができるものと思っています。「Kinza」には「サイドバー」「マウスジェスチャ」「スーパードラッグ」といったブラウジングの利便性を向上させる機能がたくさんあります。そのため「調べること」については高いパフォーマンスを発揮するブラウザといえます。ただ、私たちとしてはこれに限定せず、ユーザ自身によってさまざまな使い方をしてほしいと考えています。
今後のバージョンアップ予定
現在の「Kinza」で実装されている機能のほとんどは、ユーザの声で作られました。そして2016年6月には新たに「Mac版」を加え、より多くのユーザのみなさまにご利用いただけるようになりました。今後もみなさまのご要望をもとに新機能の開発や改善を行ってゆきますので、ぜひ、ご期待ください。
(Dayz)