DVDオーサリングソフトとして登場した「TMPGEnc Authoring Works」シリーズだが、Blu-rayやAVCHDディスクといったHD解像度のオーサリングに対応したのは前々バージョンの「TMPGEnc Authoring Work 4」から。「TMPGEnc Authoring Works 6」は、HD解像度対応としては三代目にあたるが、すでに前バージョン「5」で、軸足はBlu-ray Discのオーサリングに移っており、新バージョン「6」では、その傾向がより一層、顕著になった。そのことを如実に示しているのが64bitアーキテクチャへのネイティブ対応だろう。HD解像度における動画編集は、いうまでもなく大量のメモリを消費し、処理しなければならないデータ量もSD解像度とは段違いだ。だが、32bit版OSへの対応を捨て、64bit版Windows専用となった「TMPGEnc Authoring Works 6」は、HD編集においても、特徴である軽快な編集環境を従来以上に実現している。CPUやGPUのハードウェアアクセラレーションの威力もあるが、そうしたサポートがない状態でも動作は軽やかだ。
機能面では新たにH.265/HEVCファイルの読み込みなどにも対応した。ただし、出力対象が(H.265に対応しない)Blu-ray Discであることを考えると、常に再エンコードが必要。これは「将来のUHD Blu-rayなどへの対応準備」と考えればよいだろう。
いずれにしろ「TMPGEnc Authoring Works 6」は、Blu-rayオーサリングにおいてはもはや不満がほとんどない、高い操作性と機能を実現している。オーサリング用ということでターゲットは限られるかもしれないが、初心者でも使いやすく、誰にでもお勧めできるソフトだ。
(天野 司)