週刊ソフトニュース 98.07.16号

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電子出版にも対応したアイデアプロセッサ
ApBooks for Windows95 Version 2.10

4,000円

文章の表示と印刷に優れたアイデアプロセッサ。書式設定が豊富で、強調文字やアンダーライン、左寄せ、右寄せなどといった基本的な設定はもちろん、箇条書きや、マージンを細かく指定しての段落設定、タブ停止位置設定など、実に充実している。これらの文字書式の組み合わせを10種類まで登録でき、これによりワンタッチで書式設定することができる。

また、アウトライン系のソフトにはめずらしく、禁則文字も設定できる。印刷機能も、プレビュー機能が付き、上下左右のマージンやヘッダ/フッタの位置まで指定できる本格的なものだ。

そのほかにも、章・見出し番号の自動付加機能やハイパーリンク機能などの便利な機能がある。ビットマップファイルの貼り付けにも対応しており、さらに、ビットマップデータによるファイルサイズの増大を防ぐためのデータ圧縮・伸長機能も備えている。

もちろん、アイデアプロセッサとしての本来の機能が充実しているのはいうまでもない。

アウトラインプロセッサ系のオンラインソフトは、アイデアの整理から文章の作成までを担当し、完成した原稿の最終的な書式設定や印刷はワープロソフトなどに頼っていることが多い。ところが、このソフトでは逆に、完成した原稿を表示し印刷する機能に重点が置かれている点に特徴がある。

文章の作成そのものは、日ごろ使い慣れたソフトで行っておいて、最終的な調整や文章の公開をApBooksで行うという使い方も想定されている。そのため、インポート機能では、テキストデータに章や見出しのタグを付けておけば、階層構造を認識してこれを読み込むということもできる。

ApBooksで一番ユニークなのは、電子出版に対応したデータを出力できるという点だろう。文庫本スタイルの電子ブックブラウザと文書データを一体化した実行ファイルを出力できるのだ。もちろん、文書データだけの出力も可能。

また、それとは別にこのソフトのデータをオンラインマニュアルとして配布することもでき、それを見るのに必要な「Novels」というフリーのビューアも提供されている(くわしくは作者のホームページで)。

(秋山俊)

作者のホームページはこちら。

ソフト作者からひとこと

プログラム設計をしているときに、もっと効率よく項目をまとめ、分類や分析ができないかと思い、このソフトウェアを開発しました。さらにホットポイントや印刷など、作成した文書を第三者がブラウズできる機能が充実しています。

RichEditを使用していますので、これがサポートしている機能をフルに盛り込みました。このコントロールは骨までしゃぶったつもりですが、あいまいな点や仕様と異なる点(特にRE 2．0)が多く苦労しました。

Ver.2.0から文庫本スタイルの小説のブラウザと作成機能を新たに追加しました。ネットワークを経由して小説や読み物が多く公開されていますが、どれも見づらく手軽に読むには不便です。やはり小説は縦書きで、きれいな文字といろいろなスタイルで読みたいものです。創作活動をなさっている方はぜひお試しください。シェアウェア公開などの電子出版ができますよ。

将来は、表組みや罫を簡単に作成する機能をできれば追加したいと思っています。また小説のブラウザは、利用者がいればルビや自由書式など、追加したい機能はたくさんあります。

(岡部正)

「ApBooks for Windows95」の最新版および関連ソフトです(ソフトのバージョンは、記事中で紹介したものと異なる場合があります)。なお、ソフトをダウンロードするには、右側の[Download]ボタン(または[httpD]ボタン)をクリックしてください。下線付きのソフト名をクリックすると、ソフトに関する詳細な解説が参照できます。

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