興味本位で心霊スポットを訪れた二人の女子中学生がたどる恐怖体験。マルチエンディングで、1ルート約30分から1時間程度でプレイできる。最上邸を訪れた女子中学生二人がたどる運命とは……?
「最上邸」は、廃屋に閉じ込められた二人の女子中学生が、屋敷に隠された謎を解き明かしながら脱出を図る、本格“和風”ホラーアドベンチャーゲーム。時は平成元年、舞台は名もなき山村の外れに建てられた屋敷「最上邸」。かつては有力地主が住んでいたといわれるが、現在は廃墟と化している。10年ほど前、「南条可奈」という名の少女が屋敷近辺で目撃されたのを最後に失踪したという、いわくつきの場所だ。物語は、主人公の「神崎ゆかり」が、友人の「桐生茜(あかね)」に誘われて、この屋敷を訪れるところからはじまる。
骸塚中学に通う明朗快活な女子中学生「ゆかり」は、同じ中学で「心霊ホラー研究部」の部長を務めている「あかね」に誘われ、廃墟ツアーに参加することになる。参加者はゆかりとあかねの二人。心霊スポットを前に大はしゃぎするわりに、カメラを忘れてしまうなど、どこか抜けているあかねに対し、ゆかりは一抹の不安を感じつつも、最上邸の門をくぐる。開いたままの入り口を通って屋敷の中に入った二人が、探索をはじめようとした矢先、突然扉が閉まって屋敷の中に閉じ込められてしまう。さらに、幽霊のような者が現れ、
- 「屋敷を荒らす愚か者め!! 今すぐここから立ち去れ!!」
と言い放って消えた……。恐怖におびえるゆかりとあかねは、外へ出ようとするが、玄関の扉は堅く閉ざされてしまっている。ほかの出入り口を探すしかないと考えたゆかりは、あかねに「裏口を探そう」と提案。一刻も早く最上邸から脱出するために、出入り口を求めて屋敷の中を探索するが……。SEやBGMが効果的に使われた演出で最恐最悪の恐怖体験
「最上邸」は、テキストを読み進めてゆく、ノベルタイプのアドベンチャーゲーム。シナリオを進めると選択肢が出現し、選んだもので物語が分岐する。マルチエンディングで、用意された結末は全部で6。無事に脱出できるエンドもあれば、後味の悪いバッドエンドも用意されている。一つのエンディングにたどり着くまでの時間は、だいたい30分から1時間程度だ。
セーブは、右クリックで表示されるメニューから行える。メニューではセーブ以外に、ロード、フルスクリーン、早送りなどを行うことも可能。セーブデータは複数を作ることができる(筆者が確認しただけでも20以上のセーブデータを作成できたので、足りなくなって困ることはないだろう)。すべてのエンディングを見たい人は、繰り返しこまめにセーブしておくとよい。
“和系心霊ホラー”と銘打たれているだけあり、シナリオには和風の要素が満載。日本人形や神社、供養塔、常世の国、灯籠流しなど、日本的なキーワードが数多く登場し、雑学ネタがシナリオの随所に挿入される。