「PreviSat」のようなソフトの実用性を論ずるなど、とても筆者の手に負える仕事ではないが、少なくとも天文や宇宙に関心のある人にとっては、知的好奇心を掻き立てられるのではないだろうか。リストをよく見ると、「AJISAI(あじさい)」や「SUZAKU(すざく)」といった名前もあるし、気象衛星やGPS、通信衛星などのデータファイルも含まれているので、これらが日常生活にどれだけ役立っているかを実感できる。
現在位置や軌道がわかるだけでなく、衛星からの電波を直接受信できる範囲(フットプリント)もわかるので、測量などの仕事に携わる人や、局地を探検する冒険家にとっては、仕事の成否やひょっとしたら生命そのものにも関わる重要なツールかもしれない、などと考えるとちょっと興奮する(もちろん、そういう仕事とは無縁の一ライターの妄想です。あしからず)。
「World map」では、衛星の位置や移動方向を、空間と時間の経過にもとづく変化で総合的に把握しやすくなっているのに対し、「Sky map」では、衛星の位置が天球図上に表示されるため、ある場所から見て「どの方向にどんな衛星があるか」を、星座の位置を参考にしながら知ることができる。天文に興味を持ちはじめた人にとっては、スカイウォッチングの楽しみをひとつ増やしてくれそうだ。
(福住 護)