“Windows 7との互換性を強化し、円滑な移行をアシスト”するWindows 10用の環境改善ソフト。「Windows8レスキューキット」のWindows 10バージョン。「Windows10レスキューキット」は、これまでWindows 7を使用してきたユーザが、Windows 10へのアップグレードで遭遇する可能性がある問題を解消するためのユーティリティ。ブルースクリーンでOSが動作しなくなってしまう問題を解消したり、Windows 10では標準では呼び出せなくなったセーフモードを復活させたりすることが可能。ワンタッチでWindows 10を安定化させる機能も搭載する。
提供される機能は、
- ブルースクリーンエラー「DPC_WATCHDOG_VIOLATION(0x133)」の回避
- ブルースクリーンエラー「BAD_POOL_HEADER(0x19)」「SYSTEM_THREAD_EXCEPTION_NOT_HANDLED(0x7E)」の回避
- 外付けディスクのファイル消失問題の回避
- セーフモード/スタートアップ設定画面の復活
- ワンタッチWindows 10安定化
の五つ。Windows 7からWindows 10へのアップグレードで発生しやすいブルースクリーンエラーにはいくつかの種類がある。ひとつが「DPC_WATCHDOG_VIOLATION」で、ドライバなどから一定時間応答がなくなった場合などに発生する。Windows 7まではチェックされていなかったが、Windows 8以降ではチェックされるようになったため、同じハードウェアを使っていても発生することがある。「Windows10レスキューキット」では、OSの設定を変更し、応答時間のチェックを行わなくしてエラーの発生を回避する。
「BAD_POOL_HEADER」「SYSTEM_THREAD_EXCEPTION_NOT_HANDLED」は、ドライバなどがメモリを使用する際の動作や例外処理の方法がWindows 7とは異なるために、Windows 7時代のドライバを使い続けると発生するエラー。Windows 10上でエラーを起こしそうなドライバを検出し、使わないようにして問題を回避する。
Windows 10(Windows 8/8.1も同様)ではパソコンのシャットダウン後、接続していた外付けハードディスクをWindows 7/XPに取り付けると、ファイルが消失することがある。Windows 8以降で導入された「高速スタートアップ」に起因する問題だが、2台以上のパソコンと外付けハードディスクを使っている場合には結構、遭遇しやすい。「Windows10レスキューキット」では、Windows 10のシャットダウン時に外付けハードディスクを自動的にアンマウントすることにより、ファイル消失の問題を回避する。
Windows 7/XPでは、起動時の【F8】キー押下でセーフモードになったが、Windows 10では無効になった。「Windows10レスキューキット」では、セーフモードおよびスタートアップ設定画面を復活。Windows 10の起動時に【F8】キーを押すとセーフモードで起動し、さらにOS起動前には各種設定変更なども行える。
Windows 10がなんとなく不安定なときに利用できる「ワンタッチWindows 10安定化」機能は、(上記の主要機能を含めて)OSの各種設定を変更して動作を安定させるもの。「どうもOSの動作が安定しない」といった場合に実行すると、より安全にWindows 10を利用できるようになる。